葱(ねぎ)は辛みがあり、気血のめぐりをよくする食材です。体も温めるため、寒気を伴うかぜの初期症状に有効です。細かく刻んで薬味として、炒め物や鍋にも使える便利な食材。常備食材にぜひ加えてください。
中医学・薬膳における「葱(ねぎ)」の効能
五味:辛 五性:温
体質タイプ:瘀血・気滞
- 身体を温め発汗作用があるため、寒気を伴うかぜの初期症状に有効
- 気血の巡りをよくし、栄養を巡らせ、老廃物を出す
- お腹を温めて解毒もするので、下痢にも効果的
栄養学における「葱(ねぎ)」の成分
- 硫化アリル
ーネギ特有の香りのもとになる辛み成分。白い部分に多く含まれ、血液をサラサラにしてくれる効果があります。その他、殺菌作用、抗酸化作用、血中コレステロール値を下げる働きもあります。また、刻んだり加熱調理をすると、ビタミンB1と協力して糖質をエネルギーに変え、疲労回復を助ける効果も期待できます。
- ビタミンC・β-カロテン
ーともに、ネギの緑色の部分に多く含まれる成分。強い抗酸化作用があり、体内の活性酸素を消去して動脈硬化やがんなどの生活習慣病の予防にも効果が期待できると言われています。その他、DNAの生成に関わる葉酸も含みます。
薬膳用語解説
- 酸味( 収斂作用 )筋肉を引き締め、汗や尿などの出過ぎを止める /梅やキウイ、柑橘類など
- 苦味( 清熱・瀉下作用 )身体の熱を冷ます、便を下して出す /パセリ、コーヒーや緑茶など
- 甘味( 補益・緩和作用 )滋養強壮、緊張や痛みを緩める /卵、米、トウモロコシなど
- 辛味( 発散作用 )停滞している「気」と「血」の流れをよくする /シソ、ねぎ、生姜など
- 鹹味(塩味)( 軟堅・潤下作用 )固いものをやわらかくし、便通をよくする /イカ、昆布、味噌など
- 熱(ねつ)身体を温め、活性化。エネルギー代謝を向上させる /唐辛子、ラム肉(羊肉)など
- 温(おん)熱より穏やかに、体を温め活性化させる /にんじん、鶏肉など
- 平(へい)体を温めたり冷やしたりしない /卵、白米など
- 涼(りょう)寒より穏やかに、体を冷まし鎮静させる /きゅうり、豆腐など
- 寒(かん)水分を補い、体を冷まし炎症を鎮める /バナナ、昆布など
- 気虚(ききょ)エネルギー不足 :過労や心労で疲れやすい。かぜもひきやすく、身体が冷える
- 気滞(きたい) 気の巡りが悪い :ストレスや不規則な生活で体のリズムが乱れ、イライラしやすい。ガスがたまる
- 血虚(けっきょ) 栄養と潤い不足 :食の乱れや睡眠不足などで、貧血やめまい、物忘れが増える。肌の乾燥も
- 瘀血(おけつ)血の流れが悪い :血行不良で肌あれや肩こり、月経のトラブルが増える。お腹まわりに脂肪がつく
- 津虚(しんきょ) 潤いの不足 :身体を潤す液体不足で、肌や髪の乾燥、目や口の乾きがおこりやすい
- 水滞(すいたい)水の流れが悪い :胃腸が弱く、余分な水分がたまりやすい。むくみ、鼻水、めまいがおこりやすい