最近なんだかイライラするし、身体が熱い気がする。頑張らなきゃいけないのに、やる気もでなくて朝起きれない。自分の気持ちとは裏腹に、体と心が言うことを聞かないときありませんか?性格かな?それは、「気」の流れがスムーズじゃなかったり、足りていないからかもしれません。
「気」は、例えば「気が晴れる」などの言葉に通じますが、東洋医学や薬膳では「体や精神を健康に保つのに必要なエネルギー」を指します。「気」は両親からもらい生まれ持ったものと、生活の中で大気や太陽など自然界からとりいれたり、飲食物から得られるものもあります。その「気」は大きく5つの働きを持っているといわれています。
そのため、「気」が不足すると、生理機能の低下、冷え、風邪をひきやすくなる、汗をかけない、胃下垂や不正出血などの症状が現れます。一方で、うまく巡らず「気」が滞ってしまうと、イライラ、ほてり、腹部のハリなどの症状があらわれます。今の症状を確認し自分に合った薬膳食材で『適切な量の気がスムーズに巡っている状態』を目指しましょう。
2つのタイプの症状を確認して自分がどちらのタイプかチェックしましょう。
過労、睡眠不足、過度なダイエット(食事制限)などで十分に栄養が取れなかったり、胃腸の機能が低下して「気」つまり体や精神を健康に保つのに必要なエネルギーをつくれないと、「気虚(ききょ)」となります。以下の項目で、2つ以上当てはまったら、気が不足しているので補う事が必要です。
気を補ってくれる薬膳食材の特徴は、穀物・芋類・豆類です。胃腸の機能を高めてくれる食材でもあるので、よく噛んで頂きましょう。本当に体力が無い時は、お粥にするのもおすすめです。
穀物・豆類 | 栗・もち米・玄米・大麦・トウモロコシ・そば・大豆・エンドウ豆 |
動物性 | 牛肉・鶏肉・鴨肉・豚肉・牛乳・烏骨鶏・豚足 |
魚介類 | エビ・鮭・ホタテ・ウナギ・アナゴ |
野菜 | 椎茸・ニンジン・山芋・ジャガイモ・里芋・サツマイモ・カボチャ・キャベツ・白キクラゲ |
果物・木の実 | リンゴ・ブドウ・サクランボ・イチゴ・イチジク・銀杏・クルミ |
香辛料 | ハチミツ |
食薬 | 高麗人参・ハスの実・松の実・ナツメ・ハトムギ・リュウガン |
ストレスや不規則な生活(生活リズムの乱れ)、怒りすぎが原因で、気が巡らず滞ってしまい「気滞(きたい)」となります。以下の項目で、2つ以上当てはまったら、気を巡らせる事が必要です。
「気」を巡らせる食材の特徴は、香味野菜やハーブ類です。また、穀物や肉類には少ないことも特徴の一つです。つまり、野菜を食べず穀物や肉類ばかり食べていると、「気滞(きたい)」になりやすいということです。
穀物・豆類 | なし |
動物性 | なし |
魚介類 | なし |
野菜 | 春菊・セロリ・キャベツ・ニラ・ネギ・小松菜・ラッキョ・大根 |
果物・木の実 | ミカン・グレープフルーツ・ゆず・キウイ・ライチ |
香辛料 | 生姜・胡椒・八角・ニンニク |
食薬 | ミョウガ・菊花・シソ・ウコン |
日々の食事に自分に合った薬膳食材を追加するのはもちろんですが、ライフスタイルや運動でも少しづつ改善することは可能です。イライラや自律神経の乱れを解消して、「気巡り美人」を目指しましょう。
まずは、気を補充する食材をあたためて、よく嚙んでいただきましょう。体力が無いので、10分ぐらいのウォーキングから。他には、ヨガのように深呼吸をしながらゆっくりと身体を伸び縮みさせる運動がおすすめ。激しい運動は逆効果になるので注意。
身体に滞った気を巡らせるために、思いっきり体を動かしましょう。ただし、気が足りないために、滞ってしまっているケース(気虚かつ気滞)もあるので、体力があるかはご自身でご判断を。また、高ぶりすぎた気を落ち着かせるためにヨガなど深呼吸をして自律神経を整え、心を穏やかにするのもおススメです。